第256話 匂いおこせよエンドルフィン、わが思う人ありやなしやと(16.10.13)
第255話 世界は紅蓮の炎に燃えているのに、金だ!(16.09.13)
第253話 下北沢には時の洞があった(16.07.13)
第252話 夏はきぬ。またあの夏はきぬ(16.06.13)
第251話 歴史の資料館は十分も有れば済むのか(16.05.13)
第250話 <能>と言える日本人になってみろ(16.04.13)
第249話 風雪、一枚の筵で耐えている(16.03.13)
第248話 引退したひとりの舞姫、ひとりの歌姫(16.02.13)
第247話 ピアソラと同じ石畳を歩いてスタジオに入った(16.01.05)
第246話 青森県三戸郡田子町大字相米字上相米(15.12.04)
第245話 『港が見える丘』から戦後を眺める(15.11.04)
第244話 皆が皆、踊り念仏・空也になればいい(15.10.01)
第243話 ヒロシマの瘡蓋を剥がしてみたくて(15.09.01)
第242話 『月に吠える』と昔、詩人は言った(15.08.01)
第241話 「イチローズ・モルト」樽No.4077がやって来た(15.07.06)
第240話 旨いものは生きている内に食うべし(15.06.22)
第239話 <無銭優雅>を味あわせてくれた男(15.05.20)
第238話 向こうの人もこちらの人も、アルゴンキン・カクテルを一杯! (15.04.01)
第237話 僕が電話をかけてる場所、はもうない(15.03.01)
第236話 『ゴースト』は 戦後70年の川を渡る。(15.02.28)
第235話 <羊が人間を喰らう>という新年を迎えて(15.01.25)
第234話 不易流行の街に棲んで四十八年経った (15.01.09)
第233話 『土の歌』を広島から発信する (15.01.09)
第232話 『不在証明』の共犯者に拍手はいらない (15.01.09)
第231話 奇病・ゆうれい病でわが身を思い知ること (15.01.09)
第230話 ふたつの物語りの、幕がひらかれるのだ (15.01.09)
第229話 “ラ・ネグラ/褐色の女”が讃えた『人生よありがとう』 (15.01.09)
第228話 妖術使いの蛙の歌が聞こえてくるよ (15.01.09)
第227話 中国女の尻追っかけて15年 (15.01.09)
第226話 〈ポポロッカを起こせ!〉、と言うと不謹慎になるのかな (15.01.09)
第225話 音楽家として<黒雨>、書家として<如水>と雅号した人よ。(14.03.01)
第224話 『麦打ち唄』の音曲をどう祝祭すれば良いのだろうか!(14.02.03)
第223話 蕎麦を巡る旅と『ハッシャ・バイ』(14.01.06)
第222話 『浜辺のソプラノ』も昭和歌謡山脈の夢の途中(13.12.01)
第221話 『花巻農学校精神歌』と『ヨイトマケの歌』を繋ぐ知恵の輪(13.11.01)
第220話 <時代>に生きてしまったら、もう変われない。(13.10.01)
第219話 原爆忌・昭和二十年生まれなり(13.09.01)
第218話 『人間の秘密』はつらい夜を過ごすために(13.08.08)
第217話 逢魔が時は夕方とは限らない(13.07.08)
第216話 花や鳥や風や月は謳い、では人は何を詠うのか(13.06.04)
第215話 『最後のニュース』のあなたとあなたとあなた(13.05.04)
第214話 西行に倣い、桜に葬られて(13.04.04)
第213話 『BEETLE』は止まり場を求めて(13.03.04)
第212話 2008年は「春のめざめ」だった(13.02.18)
第211話 『音戸の舟歌』で巳年を迎える(13.01.08)
第210話 歳末に<引かれもん小唄>を歌いたくはないが。(12.12.12)
第209話 『平家物語』の舞台は東北だった(12.11.12)
第208話 “宮さん、宮さん”を今さら歌えといわれても(12.10.12)
第207話 『朗読とジャズのシモキタ・ジャンクション』の馴れ初め(12.9.12)
第206話 今年の『シモキタヴォイス』も始まりは2007年だった(12.8.8)
第205話 昭和の歌『月がとっても青いから』>(12.7.8)
第204話 雨中行軍する<ライカで下北沢>(12.6.8)
第203話 「ザ・クレードル」のまぼろしを巡りながら(12.5.10)
第202話 『SONG NEVER SANG』を、今一度響かせたい(12.4.12)
第201話 人間の第七官に響くやうな詩を書いてやりませう。(12.3.27)
第200話 しみったれたノスタルジーから『あゆむ街』へ=『ウイ・インシスト!』(12.2.20)
第199話 瀬戸内に揺れる<邯鄲の夢>か『音戸の舟歌』(12.1.19)
第198話 蠅男は『紙風船』と朝日の中に昇天する(11.12.16)
第197話 キジムナ又はラッコと『あのころ』(11.11.16)
第196話 あの夜が今よみがえる『YUSAKU MUSIC NOTE』(11.10.12)
第195話 人の縁も軽口も、人生は『ブーメランのように』(11.9.9)
第194話 敗北した時は『見上げてごらん夜の星を』(11.8.10)
第193話 東京でいつか観た<ナシ族歌舞>と<東巴文字>(11.7.19)
第192話 『想いの届く日』をレコーディングしていた頃(11.6.10)
第191話 巨人の『怪談・牡丹灯籠』を下北沢で続ける(11.5.11)
第190話 『原爆許すまじ』の歌、歌えますか?(11.3.30)
第189話 聞こえるや、『十九の春』のうめき声。(11.3.30)
第188話 『般若心経』をゴラン高原に響かせてみたい(11.1.10)
第187話 満月を盃にくだきて、暫し、酔ひて勢えよ(11.1.10)
第186話 『ふるさと 』の青森に<木鶏>を尋ねる(10.12.3)
第185話 『言うなかれ、君よ、別れを』と言って、人は逝くのか(10.11.15)
第184話 <ヴァーチカル・ドラム>にシモキタが一ミリ動いた。(10.10.3)
第183話 あの頃『アムトラック・ブルース』が流れていたよ。(10.9.3)
第182話 「無悟」と「無垢」の違いが判らない。(10.8.3)
第181話 『夜のカフカ』のシナップス(10.7.3)
第180話 魑魅魍魎を哲学すると(10.5.15)
第179話 FLANEUR(ブラブラ歩き)は止まらない(10.4.30)
第178話 チンドン音楽の出番ですよ(10.4.12)
第177話 小判で面張る今様下北沢(10.3.5)
第176話 『茶々&ちび〜三角橋の猫の歌』流れる街をどうしようと?(10.2.10)
第175話 シューベルトの『あすなろ』を歌えと言われてみても(09.12.25)
第174話 日本人の笑顔と風のインプロビゼーション(09.12.25)
第173話 「世界はときどき美しい」と思いたい。 (09.10.6)
第172話 『雨が空から降れば』しょうがない不条理 (09.9.3)
第171話 『浅い眠り』の街下北沢にて候。(09.8.12)
第170話 『ラストワルツ』を踊り続けたいのだけれど(09.7.3)
第169話 「上海帰りのリル」はピカレスクの匂い(09.6.5)
第168話 『明日という字は明るい日と書く』のですか?(09.5.7)
第167話 「ヤマテピアノ」は旅の空を飛ぶ(09.4.3)
第166話 ジャンゴを聞きながら大分を巡る(09.3.7)
第165話 大川に紅涙流れて(09.1.30)
第164話 あなごは旨いが、逃した「明日の神話」はでかい(09.1.13)
第163話 『恨五百年』の音を幻聴する(08.12.4)
第162話 『椿姫・前奏曲』は春の訪れ悲恋の訪れ (08.11.10)
第161話 水の惑星で聞きたかった『セイレーン』の歌 (08.10.8)
第160話 『シネマアートン下北沢』の鳴動 (08.9.9)
第159話 三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい (08.8.1)
第158話 『いつかギラギラする日』にラスト・ダンスを (08.7.8)
第157話 今様『梁塵秘抄』に戯れて (08.5.2)
第156話 シモキタに江戸前の風が未だ吹いている。 (08.4.4)
第155話 『如露亦如雷』の響、海峡を渡る。 (08.3.1)
第154話 街のすきま風をジャズが塞いだ時代があった (08.2.8)
第153話 英哲の『若沖』で年は越してはみたが (07.12.28)
第152話 『さくらんぼの実る頃』は愛の悲しみ (07.12.11)
第151話 下北沢に『不死身の花』が咲くころ (07.11.05)
第150話 映画よ あれがシモキタの灯だ (07.10.15)
第149話 「ロンリー・ウーマン」はトリガーに指を掛けた (07.09.04)
第148話 P.グラスの鉱物的ミニマル交感 (07.08.03)
第147話 今から『風をあつめて』おくために (07.07.03)
第146話 『MASAЯA SCOPE』は土空火水を駆ける (07.06.02)
第145話 『ゲンズブール委員会』への招待状 (07.05.08)
第144話 CAVA BIEN?『MASARA』 (07.04.05)
第143話 ボリス・ヴィアン気取りの『北京の秋』から始まる (07.03.08)
第142話 〈美しい国〉から『七福神の歌』が聞こえる (07.02.01)
第141話 『井戸の茶碗』なる地縁血縁 (07.01.05)
第140話 歌っとくれよ「ゴンドラの唄」を (06.12.05)
第139話 正調『満月の夕』が浸みた。 (06.11.01)
第138話 沖縄―アイヌを結ぶ『シンクロニシティ』 (06.10.10)
第137話 『八月の種』の種撒き唄を歌って (06.08.31)
第136話 「檸檬」と『セントジェームス病院』と (06.08.02)
第135話 『諷誦文』の唱導をいつか聴く日 (06.07.13)
第134話 K・D・ラングの『カウガール・ブルース』 (06.06.15)
第133話 『国境の南』ーバハカリフォルニア (06.05.16)
第132話 朝日の中 下北『かもめ』は翔ぶ (06.04.13)
第131話 伝播する『花心』の基礎体温 (06.03.09)
第130話 『吾唯知足』の教えに行雲流水する (06.02.01)
第129話 新年を繋ぐ交感神経作用 (06.01.06)
第128話 『アルフェンティーナ』の月ヶ瀬幻視行 (05.12.05)
第127話 ミドリブタと歩く街流れる歌 (05.11.02)
第126話 昭和を記憶する『夢であいましょう』 (05.10.01)
第125話 『禁断の果実』を求めてジャズの茨の道へ (05.09.06)
第124話 色即是空と『グラナダ』食い合わせ (05.09.06)
第123話 『ラプソディ・イン・ブルー』の不意打ち、『草原情歌』の余韻 (05.07.05)
第122話 『何日君再来』を君と聴く日 (05.06.03)
第121話 『般若心経』を教科書で読む日 (05.05.10)
第120話 下北ノイズの生まれる街で (05.04.01)
第119話 『ホエン・アイ・ワズ・ヤング』は今歌えない (05.03.04)
第118話 ヴェトナム人が見る『ジョージア』の夢 (05.02.01)
第117話 『ゴジラ』の年からヒロシマの年へ (05.01.01)
過去コンテンツも徐々に掲載します。


大木雄高 おおきゆたか
1945年生まれ。大学時代から小劇団を組織し、60〜70年代の同時代演劇を、作・演出・役者として手がける。78年以降は定期ライブのほか、「下北沢音楽祭」、「松田優作追悼コンサート」等をプロデュース。下北沢"LADY JANE"オーナー。"音曲祝祭行"は"音曲祝祭考"としてアサヒグラフ誌に98年1月から6月まで計24回を連載していたものを、連載終了を期に装いも新たに自主制作版とWEB版で復活させたもの。



 

"音曲祝祭行"は下北沢"LADY JANE"にて月1回部数限定で発行しています。
 
 9月28日、朝目覚めると「日米軍事一体化が加速」の朝刊の大見出し。来年1月、米海兵隊岩国基地に最新鋭ステルス戦闘機F35が、米本土以外で初の配備を決めて、戦時下作りが急ピッチだ。オバマ政権の「日本軍」を抱え込んだ、グアム、沖縄、岩国の米軍配備のアジア太平洋戦略の再編で、ついこの夏、広島に来て十分間の原爆資料館見学したのは、何だったのだと改めて思う。日本の政権は、東電福島第一原発の廃炉を始め、すべての損害賠償、除染に必要な費用を、<すべての電力使用者>に負担させる方針らしい。怒りのノルアドレナリンに依拠していると、夜になって、ETVの「ハートネット」番組で古典学研究家の槙佐和子という方が、古典本の「医心方」の分厚い書物から、病気にならないための養生編を解いていた。「心の健康の保ち方」の基本に「少思、少念、少欲、少事、少語、少咲、少愁、少樂、少喜、少怒、少好、少悪 行此 十二少 養生之都契也」を上げて、「そんなに怒ったって効き目が無いです」とおっしゃった。あ、俺は<心の剪定>が出来てなかったのだと悟った。
 そこで、βエンドルフィンの方に目を向ける。「日活ロマンポルノ」製作45周年を記念した「日活ロマンポルノ リブートプロジェクト」製作発表が今夏行われて、塩田明彦、白石和彌、園子温、中田秀夫、行定勳の五人の監督作品が、11月中旬より公開を待っている。28年振りなので世情が変われば内容も変わるだろうが、尺80分前後、10分に一回の濡れ場、撮影一週間、オリジナル脚本、ロマンポルノ初監督などの同条件だったらしい。勿論同一低予算だ。  2011年10月28日朝、前夜オリエンタルホテル広島で寺山修司展の初日、当時寺山修司記念館館長だった故九條今日子、現館長の笹目浩之のトーク・イベントを終えて大分に向った。大分駅に迎えに来てくれた車で湯布院へ。亀の井別荘の中谷健太郎・由布子親子の歓待を受け、食事と散策でお世話になった後、夜「大分映像センター」に行くことが主目的だった。
 1971年の「日活ロマンポルノ」誕生年に監督昇進した曽根中生の、全ロマンポルノ作品中、屈指の名作『天使のはらわた・赤い教室』がそこで上映され、監督も来るということだった。というより監督に会うことが眼目だった。話すと長くなるので省くが、友人の若い編集者が曽根中生伝記本を出したいと相談してきたから、お世話虫してやろうとなって大分行きだった。何十年振りの挨拶もそこそこに、上映後、行きつけらしい居酒屋「梁山泊」にて打ち上げで和んだ。メンバーは監督の他、大分映像センターの横田茂美と河野貴子、湯布院まつり実行委員長の大谷隆広、飲み屋「のっけ」のおかみ、映画評論家の野村正昭、そして湯布院映画祭実行委員長の伊藤雄とメンバーの藤重睦美らだった。途中通りかかった映画館では、山崎ハコが主演した瀬々敬久監督の『ヘブンズ・ストーリー』を上映していた。何軒梯子したか記憶は無いが、伊藤雄に最後だと思った「のっけ」から更に何処かに連れて行かれた記憶はある。にも拘らず、翌日は午前中に再び「大分映像センター」に駆けつけ、初監督作品の『色暦女浮世絵師』『性愛占星術・SEX味くらべ』『新宿乱れ街・いくまで待って』の三本を制覇して、小倉着18時10分の日豊本線に乗り込んだのだった。
<すべての偶然は必然である>と思う時がある。

 再び曽根中生監督に会えたのも、中谷由布子とは「レディ・ジェーン」で会っていたとは言え、湯布院に歓待されたのも、実は河野貴子と藤重睦美のお陰だったと思っている。大分行きの10月28日の約一ヶ月前の9月23日に、監督の廣木隆一、ハピネットの永田芳弘、小林俊道たちと同行して「レディ・ジェーン」に来たのが、勿論初対面の先の女性二人だった。期せずして、当日の午後からは、「湯布院映画祭」の第一回目を立ち上げる原因となった故原田芳雄の<音楽を語る追悼座談会>を、「映画芸術」の依頼で、宇崎竜童、山崎ハコ、早坂紗知、俺が司会で終えたばかりの日だったので、一層記憶は鮮明にあった。共通キーワードが重なり合って、更に一ヶ月後に続く人の縁日だったから、人ごとのように感心するばかりなのだ。  夕方小倉に着くと、駅で黒田征太郎が待っていた。飲みに行こうかと駅北口をついて行くと、事情は知らないはずの黒田征太郎が「cafe・causa」のカウンターに座るや言った。「ここは青山真治の馴染みのバーだよ」と。はあ?!数ヶ月前の夏の「湯布院映画祭」のこと、青山真治の司会で、『博多ッ子純情』でデビューした光石研特集をやっていたら、監督した曽根中生が現れて、
すべての原因を作ってしまった事件が、
小倉まで飛び火していたとは!
ヒッチコック映画じゃないんだから。


 

 
 




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